1/22(月)18:30〜│北野BIDフォーラム@北野工房
多彩なゲストと共に神戸・北野の街の在り方を議論する、参加無料のフォーラムが開催されます。北野地区の住人やビジネスを営むみなさん、そしてまちづくりに興味をお持ちの方々、ぜひご参加ください!
北野は観光地なのか、住宅街なのか
北野地区は、商業ビル、戸建住居、マンション、異人館、宗教施設などの多様な使い方の建物が混在している。 僕たちreallocal神戸の運営母体・神戸R不動産のオフィスもあり、住んでもいる北野エリア。ここは、古くから外国人が多く住んだエリアとして知られ観光地のイメージがある一方で、今でも様々な国籍・年代の方々が暮らしている住宅地でもあります。
神戸の市街地中心部でアクセスが良いのに、山の緑を背後にしょった坂の上の景色がとても気に入り、この地にオフィスも家も構え早9年。僕自身も“ここで暮らし、商いをする”立場です。
実はここ5年弱、街の人たちと行ってきた活動があります。それは、街の商業ビルオーナーのみなさんと共に、商業ビル(店舗・ビジネス・住居を含む貸しビル)としての長期的な価値、つまりビジネスアドレスとしての北野の価値をあげていく活動です。(“北野BID”という団体が組織され、僕はそこの事務局長をさせて頂いています)
北野BIDが2015年に発刊した北野への「移住・移転検討ペーパー・KITANO MOUNTAIN+WORK+FOOD」 ここで常に議論になるのは、「北野は観光地なのか、住宅街なのか」ということ。この議論は、「適切でない看板がある」という意見が多く挙げられたところから始まりました。住人は、「観光客が街に来ると荒れて嫌だ、北野は住宅地だ」と考え、観光客相手にビジネスをする人は、「北野は観光地なんだから、看板を出して商売してなんぼでしょ」と考えているのです。
僕自身、この地で“暮らし、商いをする”立場としては、どちらにとっても“良い感じでの両立”というものがあるのではないかと考えています。そこで必要になると考えたのが、街全体としての理想を言葉で表現したアイデンティティーのようなものと、これは限界ポイントであろうという内容を言葉としてとり決めした“地域ルール”のようなものの二つが求められる気がしています。
北野エリアのメインストリート・北野坂の様子。街の人たちの協力もあり、看板の表現は少しずつ改善されつつある。 公共空間をどう解放していくか
さらにあわせて考えるべきは、こうした地域ルールをもとに、これから様々な表現が生まれてきそうな公共空間を、どのように行政から民間に解放していくべきなのかという議論。(この議論は、今話題の民泊を「受け入れるのか、受け入れないのか」という議論とも重なる部分が多いと思います)
今回開催する北野BIDフォーラムでは、こういった議論に対して常にアンテナを張っておられるゲストの方々をお招きし、議論に新しい視点を取り入るとともに、より多くの人にこの議論に参加してもらいたいと考えています。
今回お招きするゲストのみなさん まずご紹介するのは、バルセロナを中心にスペインの街づくりの研究をされている龍谷大学の阿部先生。ご存知の通り、バルセロナは世界的な観光都市でもあり、海と山に囲まれた居住都市でもあります。現在バルセロナでは、観光客が来すぎて住民が街から逃げ出すという事態が発生しているそうですが、その昔は観光客が全く来ずに苦労した時代があるそうです。阿部先生には、北野と重なる部分が多そうな、スペインにおける観光と居住の共存を紹介していただきます。
つづいて、東京農業大学の福岡先生。ランドスケープデザイナーでもある福岡さんからは、”公共空間の解放”がどのようにして街の価値を上げ、用途混在する街の可能性についてお話を伺います。
そして東京R不動産の林。パートナー企業なので細かい説明は省きますが、最近“Rules &Commons by R不動産”というサイトをスタートしたこともあるので、地域ルールについて紐解くヒントを提供してくれるのではと思っています。
こうしたゲストのお話から、北野エリアのリアルで適切な“暮らしと商いの共存”をみなさんと考えたいと思っています。北野地区の住人の方々、ビジネスを営む方々、そしてまちづくりに興味をお持ちの方々、参加費は無料です。ぜひご参加ください!
北野BIDでは、昨年に北野地区の景観ガイドラインを制作発行。当日はこちらをお配りします。 日時:2018年1月22日(月曜日)18:30〜20:00
会場:北野工房3F講堂
住所:神戸市中央区中山手通3丁目17番地
料金:参加無料・予約不要
主催:北野BID
異人館のある美しい景観と国際文化が北野山本地区の最大の財産であると認識し、長期的な視点で北野山本地区のビジネス立地としてのブランド力向上施策の検討や事業を実施する会として2015年に発足。北野の各種地域団体と連携 し、行政機関との協力関係を構築し、ビルオーナー・ビジネスオーナー・住民・行政が一体となった調和のとれた街づくりを目指す団体として北野地区の商業ビルオーナーを中心に組織されている。
後援・協力:
[後援]北野・山本地区をまもりそだてる会、北野ふれあいのまちづくり協議会、北野婦人会、北野観光協議会
[協力]神戸市、神戸観光局
ゲスト:
阿部大輔(龍谷大学政策学部准教授)
東京大学大学院で都市工学博士課程終了後、スペイン政府給費奨学生として留学。バルセロナの都市再生、公共空間デザインに関する研究で注目されている。著書の『バルセロナ旧市街地の再生戦略』が不動産協会賞を受賞。2011年より現職。1975年ホノルル生まれ。
福岡孝則(東京農業大学地域環境科学部造園科学科准教授)
人が住みやすく健康的に生活できる、屋外空間の機能や魅力を核にした‘Livable CIty’の創成を軸に各地で活躍。編著「海外で建築を仕事にする2都市・ランドスケープ編」「Livable Cit(y 住みやすい都市)をつくる」を刊行。1974年神奈川県生まれ。
林厚見(東京R不動産ディレクター)
建築・デザイン、事業企画推進・ファイナンスなどのバックグラウンドを統合し、プロジェクトや新規事業のプロデュースを行う。最近“Rule&Commons by 東京R不動産”というWEBサイトをオープン。株式会社スピークの共同代表。1971年東京生まれ。
進行:小泉寛明(北野BID理事長/神戸R不動産)