物件をさがす
特徴で絞り込む
条件で絞り込む
賃料
価格
建物面積
土地面積
エリア
選択してください
その他の条件
< コラムTOPへ
column
2022.9.5
場所の自由 楽しく働く 意外とこんなこと

六甲山上でこれからの働き方を考えるトレッキングイベント「NL/ROKKO」はじめます。

小泉寛明(神戸R不動産)
 

我々が運営を行っている六甲山上のシェアオフィス「ROKKONOMAD」で、これからの働き方をオランダの先進例を参考に考えるイベントをスタートさせます。9月から12月まで、月毎でテーマが変わります!

コロナ渦がスタートして早2年半。いつになるのか、出口が見えない状況ではあるが、この期間において大きく変わったこと、そして我々が体験したこと、それは「働き方」の変化ではないか?

急速な勢いで普及した「リモートワーク」。働く場所の制約を取り外し、今ではどこで働いても良いという会社も現れている。チャットアプリやzoomなどのITテクノロジーによりいつでも連絡や会議ができるようになり、とても便利になり仕事は効率化を続けている。コロナが落ち着きオフィスに戻り始めて仕事することが一般化しはじめていますが、せっかくリモートワークが定着したのに「え!また逆戻り?」と感じている人もいるだろう。

反面、オンとオフの境目がないことに悩んでいる人も増えている。便利にはなるものの、ますますやることが多くなりプライベート時間に食い込んでくる仕事、子育てや介護などプライベート生活との両立、ボランティア活動、趣味、さまざまなこととの時間配分、両立はどうやっていったら良いのだろうか。ITの進化、そしてAIの発達があるにもかかわらず我々の仕事や生活は楽にならないのか?

そろそろ社会全体として働き方のあり方を考え直してみる、そんな時期にあるのではないかと個人的に思っている。

六甲山上でのオランダとの出会い

六甲山上にあるROKKONOMADという施設の運営をスタートして1年半。施設のマネージャーであるヤンセン尚子の旦那であるロク・ヤンセン氏(ROKKONOMAD在住・職業:アートディレクター)の働き方はユニークだ。仕事の途中に「ちょっと行ってくる」と六甲山上から有馬温泉まで普通の人なら往復4時間はかかる距離を歩きにいく。デスクでデザインの仕事も行うが、アイデアは山を歩きながら大自然を見てヒントをもらうことが多いと言う。デザインの仕事に関わっている彼の仕事場は山中でもある。そしてこの夫婦は子育てをしながら、施設の運営、デザインの仕事、遊びをシームレスに分け隔てなく行っている。


昨年の冬の六甲山頂でのLOKさんのスナップショット。NL/ROKKOでは、コンセプト設計、アートディレクション、デザインを担当している。

ロクさんの縁で大阪のオランダ領事がROKKONOMADに来館される機会があった。ROKKONOMADのロケーションやコンセプトに大変興味を持っていただいたのだが、そのときに最近のオランダのワークスタイルについて聞いて驚いた。「うちの息子が最近就職したのだけど、物理的な会社はなく、完全にフルリモート勤務。毎週どこか違う場所で2時間ぐらいMTGはしているそうだけど、それ以外は基本自由みたい。結構最近そんな会社あるみたいだよ」。オランダといえば、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実践において先駆け的な国であるということは知っていたが、働き方もそこまで進化しているとは。そんなきっかけがありオランダの働き方について調べていたら、普段親しくさせていただいている東京のSHIBAURA HOUSEがオランダと日本の間でさまざまなトピックについて対話する「nl/minato」というプログラムを数年前から行っていることが判明。そのようなきっかけもあってこの度、オランダの先進的な実践と思想にヒントを得ながら、みなさんとともにこれからの「働く」について考えるイベントを六甲山上で開催することになった。

働き方に関するオランダ人の思想について調べれば調べるほど、面白い。特にオランダの思想家ルトガー・ブレグマンの『隷属なき道』は、今の資本主義と我々の働き方の関係、そして未来の働き方に関する示唆が鋭くて興味深々。さらにリサーチしていたら見つけた「CORPORATE REBELS(反逆する会社)」というオランダ発オンラインメディアの創業者2人の話も面白かった。世界中を旅して「仕事をどうしたらもっとハッピーにできるのか」を考え続け、フラットな自律型組織を研究する本を出版している。なお、この2人組は10月に来神が決定し、ROKKONOMADに滞在するとともにイベントも行ってくれることになっている。


たまたまウェブサーチをしていたら発見したCORPORATE REBELSのサイト。リアルでお会いできるのが楽しみだ。

読み込んだ参考文献の数々。

さらに、人々が一緒に働き協力し合う社会をつくるには、「信頼」のメカニズムを論理的に解き、その未来のあり方を志向することが大切と唱える「studio monnik」のエドウィン・ガードナー氏や、企業が販売する商品が環境に与える負荷をコストとして計測し、その分を上乗せした価格を開示することを支援する企業「TRUE PRICE」の代表マイケル・ショルテ氏ともオンライン対談し、その話を記事やポッドキャストで配信することも予定している。アムステルダム市がドーナツ経済というポスト資本主義的な成長概念を市の政策として採用した際の裏話について、「CIRCLE ECONOMY」という団体の方にインタビューしようとも思っている。オランダ国営放送の先進的ドキュメンタリー番組のチームの方々に、「コモンズとしてのメディア」というテーマでインタビューし、ポッドキャストで配信することも検討している。

オランダの情報をインプットしながら山を歩く

個人的な実感として、仕事が行き詰まった時に、頭の中に情報がいっぱいの状況でパソコンの前で考え続けていても答えが出ないものが、山の中など自然に入ると答えが見えてくるという状況があると思っている。山を歩くなどして、美しい景色を見ることで、脳がリラックスするのが大きいのではないだろうか。

「これからの働き方」を考える時に情報のインプットとリラックス、つまり「読む」と「歩く」を交互に重ねると、なにか見えてくることがあるかもしれないと思い、山を歩きながら未来の「働く」について考えるという企画にしてみた。六甲山上エリアのトレッキングルート(比較的歩きやすい道なのでご安心を)と、森の中の読書スポットを設定し、働き方に関して僕たちが面白いと思った情報を詰め合わせたZINE(自主制作の小冊子)を4箇所で読み歩くという内容だ。山の中の静かで小さな広場や絶景の岩の上にZINEと参考にした文献を格納したポストを設置している。

概要を理解していただけるようにZINEの1章を公開しているのでよかったら読んでみてほしい。
NL/ROKKO 1.1

山道にはNL/ROKKOのサインが設置されている。地図とサインを目標に山歩きを楽しんでください。


山の中に設置している読書スポット。ポストを開けて格納しているZINEを読んでみてください。

毎月のZINEは4冊4テーマある。文章と写真から構成されたビジュアルブックでもある。
NL/ROKKO、ぜひご参加ください!

出発は六甲ケーブル山上駅付近。そこから「NL/ROKKO」と書かれたサインに沿って山道を歩き、山の読書スポットへ。歩いて読む、歩いて読む、これを繰り返す。読書スポットは4か所あり、毎月4つの違ったテーマについてのZINEを読んでもらう。最後の読書スポットROKKONOMADでは、オランダのドキュメンタリー番組やZINEの販売を行う予定だ。

以下のようにそれぞれの月でテーマは変わる。

9月  なぜ働くのか?働き方の未来は?
10月 もっと気持ちよく働くにはどうした良いのだろうか? ヒエラルキー組織から自律型組織へ
11月 ドーナツ経済でビジネスの未来はどうなる?
12月 コモンズ(共有地)の未来はどうなる?

あわせて、毎月のテーマに合わせたミートアップ(参加方トークセッション)をROKKOKNOMADで開催する。感じたことを議論したいという方は、ミートアップの日に歩くのが良いかもしれません。さきほど述べた通り、オランダのアクティビストの方々にインタビューを行いポッドキャストで配信することも予定しています。お楽しみに。

そしてこれは、みなさんとこれからの「働く」ということを考える場にしたいので、SNSで#NLROKKOでつぶやいてもらったり、山の上の読書スポットに置いてあるノートブックに感想を書いてもらえたりすると幸いです。寄せていただいたコメントをまとめて発表する場などもつくれたらと考えています!

NL/ROKKOの参加方法はこちらから
https://nllocal.net/rokko

ROKKONOMADサイトでは関連するイベント情報などをお知らせします
https://rokkonomad.org/


9月のルートマップ。毎月ルートと読む内容は変化します。
URLをコピー
PC版 copyright(c)神戸R不動産