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2017.11.24
Rトピックス

コーポラティブ・エコノミーを生み出す場づくり始めます。「KITANOMAD」

小泉寛明(神戸R不動産/有限会社Lusie)
 

ローカルの「仕事」を生み出す人たちのハブとなる場所「KITANOMAD」を来春、神戸・北野でオープンします。入居者及びスタッフ、募集中です!

神戸の街に適したビジネスとは何か

先日6年半ぶりに神戸R不動産のサイトをリニューアルした際、サイトオープンから出会ったお客さんのことを思い出すことや実際にお会いする機会があった。我々のお客様は、フリーランスで活動される方も多く、常にその仕事の内容について詳しくお話をお聞きする場合が多い。そこで感じたのは、なんとなくではあるが、その土地(つまり僕の場合は、神戸)にあった「仕事」とは何なのかということ。「仕事」といっても企業的な視点の大きな話ではなく、一個人が独立して始めるのに適した「仕事」というか、小さな個人スケールでのスモールビジネスであり、暮らしと一体化した営み的なことでもある。

サイトオープン後に出会ったお客様の訪れインタビューしてきた冊子。現在配布中です(詳しくはこちら)。

というのも、不動産を借りて事業を始めるということは、ゼロからスタートする人にとって、とても重要な意思決定である。その場に同席する僕らはみなさんの仕事に対する熱い夢と、その土地に対する深い洞察と強い思いと日々直面している。そして深い洞察と熱い夢を重ねあわせそれぞれがビジネスをスタートしていっているのを垣間見させて頂いており、そのプロセスで、土地にあった「仕事」というのがなんとなく見えてきたりするのである。

農と食、アウトドアスポーツ、クラフトなどのスモールビジネス

じゃあ、それは何なのかと言うと、神戸はその都市的なイメージに反して、山や海といった大自然や農地を取り込んだ「ビジネス」がこの場所に適していると感じている。具体的に言うと、フードビジネス、アウトドアスポーツビジネス、土地の自然素材を活かしたクラフトを扱うビジネス、環境保全、コミュニティー活動などにとりくんでいる営利・非営利団体ビジネスなど、大自然に恩恵を受けてそれを独自の技術力で商品化する仕事がこの地にあっているのではないかということ。

大都市圏からの農地への近さ、自然への近さは、神戸の最大のメリットではないか。そして大企業が独占していた市場こそ、スモールビジネスが活路を見出せる業種ではないかと考える。
六甲山の水、農産物を活かしたビジネスは可能性が高いと思う。地ビールやクラフト酒、ワインはもっと増えて良いのではないか。

我々に関わる近い部分で言うと、ファーマーズマーケットに参加されている農家さんや食物販や飲食店の方々、灘高架下に入居される木材を使った家具や設計工務店、姫路の皮を使った牛皮のクラフト製品などに地域の自然資産をベースにビジネスを展開している方々が多い印象がある。特に大手企業が独占してきた市場、クラフトビールやクラフトワイン、酒、農産物を使ったその他商品の企画開発、大手企業が受注してきた設計・工事の仕事、過去に大量生産型のファッション産業に食われてしまった自然派クラフト系の仕事にはスモールビジネスの可能性を感じる。また、大自然を活かしたスポーツビジネス、環境保護、コミュニティー活動などの分野でも可能性を感じる。

経済の循環をローカルに向けていく

先日のR不動産サミットでは「地域資本主義」というテーマで話し合いが行われ、経済の循環をどうローカルに向けるのか、ということが公開パネルディスカッションで行われたり、内部のミーティングでも話しあわれた。本当の地域資本とは何なのか、ローカルにおける経済循環をどう生み出すのかということについては以前から多々議論されている話しでもあるが、そろそろ本腰を入れてこうしたことに行政も大企業も我々のような小規模組織も力を入れていく時代に突入したと認識している。神戸において地産地消エコノミーをどうつくっていくのか。その土地に根ざした「仕事」とは何なのかということを日々考えている僕らにとっても重要なテーマである。

「KITANOMAD」、始まります

そうしたローカルの「仕事」を生み出す人たちのハブのような場所があればと常々考えていた。先日のリニューアルコラムでも書いたが何かが生まれるには、ローコストで同士達が一緒に励むことができる場所が必要だと感じていて、そこに面白い人材が集まれば「協力から生まれる経済(コーポラティブ・エコノミーと呼んでいる)」が存在すると確信している。

北野は神戸の中心三宮から徒歩すぐにもかかわらず、山を背後に六甲おろしを感じる多国籍な人たちが居住する複合エリア。新幹線や神戸空港など他都市へのアクセスも良く、広範囲に移動しビジネスを行う人の拠点に良いです。

そしてこの度、神戸の山側、北野エリアでヴィンテージビルを改修してそうしたコーポラティブ・エコノミーのハブをつくれないかとプロジェクトをスタートする。僕らが拠点にしている北野エリアは、「ローカルエリア・デベロッパー」を標榜する我々としては一番力を注いできたエリアでもある。

北野坂の真ん中に位置するヴィンテージビルの1階と2階が新しい拠点となる。
EAT LOCAL KOBE FARM SHOPの外観イメージ。
EAT LOCAL KOBEファーマーズマーケットに参加するメンバーたちのハブとしてファームショップが生まれる。

この「KITANOMAD」と呼んでいるこの施設には、北野地区で3年間運営が行われてきた移住者を中心としたフリーランサーの「シェアオフィス」、EAT LOCAL KOBEに参加する農家の野菜や食の事業者の商品が揃うグローサリーショップ「ファームショップ」、ヨガや裏山でのトレイルランのための「アウトドアフィットネスクラブ」の3つから構成される。北野がよりローカル志向の街になり、農や自然に関心のあるクリエイティブな職業人の集まりの場になることを目指している。

この度、その参加メンバーの募集をスタートすることになった。
よろしければ詳しい募集内容を見てみてください!

KITANOMADティザーサイト(画像をクリックするとサイトに飛びます)

募集情報(シェアオフィス、キッチンアトリエ)
スタッフ募集(ファームショップ)
スタッフ募集(アウトドアフィットネス)

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