2012.2.22 |
オフィスと住まいのほどよい距離感小泉寛明(神戸R不動産/Lusie Inc.) 唐突ですが、『ALWAYS 3丁目の夕日』という映画があります。この映画の舞台となった昭和30年代の日本の仕事と住まいの関係性に興味があります。主人公の小説家の旦那は家で小説を書き生計を建て、奥さんは軒先で居酒屋を経営している。向かいのご主人は自動車整備工場を経営して、1階は整備工場、そしてその工場の奥と2階は住まいになっています。昔はこのような生活が当たり前だったのが、高度経済成長期には効率化という名のもと仕事場と住処が分けられるのが当たり前になり(当時は環境上の問題も多々あったのでしょう)、都市計画ではゾーニングという名のもとオフィスが都心エリア、住宅が郊外エリアと分けられ、人々は中心部の高層オフィスで働き、郊外の家から通うという生活スタイルが当たり前になったわけです。 日本の成長が止まりかけて衰退し始めている今、時代はまたその昔のスタイルに戻っていくのではないかなと思っています。正直、映画に出てくる人々の関係性、ちょっと近過ぎてうっとおしいかもしれませんが、お互い助け合って生活する姿は羨ましい部分もあります。仕事しながら家事ができたり、困ったことがあったら近所の人が助けてくれたり。快適、効率を求めてオフィスと住居が分けられるにしたがって、僕らの生活環境も変わってしまい住処の近くでのコミュニケーションの場が希薄になっていったのでしょう。 仕事によっては、立地性が求められる仕事、隠れているような場所でもいいような仕事、広い倉庫が必要な仕事、いろんな条件があると思いますが、大きな住居を借りて、そんな場をつくっていくのも良いのではないでしょうか? 僕の理想は3階建ての戸建空間(神戸にはあまりないタイプの物件ですが)。1階が道路に面したオフィス。オフィスとは別の入口がある住居が2階と3階にある。このような物件はあまりないので土地から選んで建てた方が早いかもしれません。事務所か住居が手狭になったり、飽きてきたら貸すことも出来るような造り。そうしたら賃料をローンの返済に充てたりできますよね。これから資産価値が高い物件って、オフィスと暮らしのほどよい関係が築ける物件ではないかと思っています。 |
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