real kobe life 「父との思い出・夏の夕涼み」小泉亜由美(神戸R不動産/Lusie Inc.) 7月に入ったが、まだクーラーを使わない生活が続いている。それは冬の終わりからエアコンの調子が悪かったせいでもあり、また節電意識の高まりからでもある。ここ北野は六甲おろしが吹き下ろすので、風通しの良い部屋なら、冷たいシャワーと除湿器、扇風機、この3つさえあれば結構やり過ごすことが出来るのだ。 ![]() 左:休みの日、まったく布団から出てこない父と私/右:夏の海水浴 父は仕事にも遊びにも多忙な人で、いつも帰りは真夜中、朝食の時間にすれ違う程度。毎日ほとんど二日酔いの父とは会話もなかった。たまに家にいる休日も昼すぎまで寝ていて、遊んでもらった記憶はとても少ない。そんな私達親子の思い出が、夏の夕涼みだ。 ![]() 左:淡い色に染まっていく須磨の夕焼け雲/右:六甲山からの夕焼け空 こんな父との夕涼みも、いつしか仲間と行くようになり、また恋人との時間になり、そして近年は主人や友人達と時間を見つけては、海へ山へと出かけている。神戸らしい夕暮れ時の過ごし方は、今も昔も変わらない。そうだ、そろそろ今年も出かけよう! ![]() 左:まだまだ美しい、うどん山のアジサイ/右:手や足をつけると気持ちいい川の水 一週間後の梅雨が明けた朝 ![]() 左:北野坂には一年中、木々や花がいっぱい/右:JR三ノ宮駅西口の改札 電車から降りると、海の匂いで一気にテンションがあがる。JR須磨駅は海岸にあり、階段を下りた所には海の家が並んでいる。『はやく泳ぎたい!』とせがむBちゃんを連れて、私はお気に入りの場所まで移動する。いまは17時20分。まだまだ明るいが、もう日射しは優しいので難なく歩ける。 ![]() 右上・左下:改札から出ると海/右下:遊歩道が整備されランニングもOK ビーチを東へ10分ほど、須磨水族館の方へ歩いていくと、毎年訪れる店に到着だ。ここは『海の家』というより『ビーチハウス』といった雰囲気で、いつも私は夕暮れ時から閉店の21時頃まで過ごす。 ![]() 左:この店では手ぶらでBBQができる/右:18時頃 まだまだ明るい 『やっと泳げる!』と飛び跳ねているBちゃんのためにシートを広げ、腰をおろすと『パパが急遽、参加表明!いま長田の辺りを車で走ってます!』とMちゃんのママからメールが来ていた。ちょうど仕事の区切りがついたパパが運転して、親子3人で須磨へやって来ることにしたらしい。北野からだと車で30分以内に着く。 ![]() 左:シートを広げて寝転がる/右:Mちゃんが来るのを待っているBちゃん 18時半、Mちゃん父娘も泳ぎ始めるが海の水は温かく、まだまだ楽しめる。貝殻を拾ったり、砂でお城を作ったり、遊びは尽きることなく、運転しない大人は何杯目かの生ビールを注文して。。。 ![]() 左:19時を過ぎても海水は温かい/右:仲よくいろんなものを拾う二人 そこへ葉山から須磨へと移り住んだYファミリーも合流。仕事の後のひと泳ぎが好きな小泉も合流し、総勢10人、刻々と涼しくなる風に吹かれながら会話も弾む。やがて完全に日も暮れて、大人達はジョッキを片手に語り、子供達は砂の上に寝転がって星を数え始める。そんな彼女達の夏の時間もキラキラしますようにと心から願いつつ、私は小さかった頃の自分自身の姿を重ね、父との夕涼みの風の匂いを思い出そうとする。私が18歳の時、病に倒れてしまった父との数少ない思い出の一つとして。。。 これが、いまの私の『夕涼み』 ![]() 父の部屋に置いてある、昔懐かしい神戸の版画 *もっとキレイな海で泳ぎたい時は、須磨よりに西へ行くと透明感がアップします! 近所のオジさんが獲れたてのタコをくれたりしますよ。 |
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