ウッドデッキとFARM古民家

坂をえっちらおっちら登って到着するのは、神戸市長田区五位ノ池町。五位ノ池町の地名の由来は、昔このあたりの池に多くの鷺が住んでおり、醍醐天皇が捕まえる際に「五位」の位を授けたことから五位鷺と呼ばれるようになり、そこから五位ノ池となったそうです。


そこにあるのが2棟続きのリノベーションされた古民家＋どーんと広いウッドデッキ。ウッドデッキからは遠くの海まで見渡せ、街並みと海を開放感たっぷりに楽しめます。さらに畑スペース（宅地）も付いてきますので、家庭菜園より一段上の農に近い暮らしもできます。


玄関をくぐれば、珪藻土の壁、無垢の杉床、木張りの天井──自然素材の温もりに包まれた空間。大部分は刷新されつつも戦前から続く古い柱や建具が部分的に残っていて「時間のアクセント」になっています。木の温もりと歴史の共存がたまりません。


約16帖の洋室はもうそのまま客間にもイベントスペースにもできそう。窓を開ければバルコニーとつながり、まちと海と山々の景色が一体に。思わず「好きにならざるを得ない」ほどの気持ちよさです。毎朝ここでコーヒーを飲みながら海を眺めたい。お風呂は木の香りが漂うサラワ材の浴槽で木とともに暮らす時間が贅沢に感じそうです。


ウッドデッキから見える景色はもちろん特等席ですが、徒歩数分の物件周辺にも面白みは満載。すぐ近くの常福寺は奈良時代の行基菩薩の流れを汲み、西国観音霊場の札所でもある由緒あるお寺。山の中腹にある自然石の観音像はふとした散歩にぴったり。おとなりの大谷町は大乗寺や蓮生寺、教会など文化と宗教がそっと共存する静かなエリア。日常にお寺の木々や鐘の音が調和する、落ち着いた暮らしがそこにあります 。


クルマは通れず人はしんどい階段を上がったところにある立地ですが、その先にある「自分だけの景色」こそがこの物件の本当の価値のような気がします。また、畑で育てた作物をウッドデッキで食べる予約制レストラン、小さな私設図書館＋カフェ、のような職住一体の使い方もおすすめ。古民家＋畑＋地域の寺社をフィールドに職住一体で暮らしを楽しみたい人や、小さな文化の「場」をつくってみたい人などと相性が良いと思います。


日常の暮らしは、坂の上の立地ですが駅徒歩圏で板宿の商店街へもすぐ。買い物や飲食も不自由ないかと。駐車場が必要な方は近隣確保になります。神戸中心部までも電車30分圏で都市とローカルのいいとこ取り。ここには山と海と人の気配がそっと混ざり合っています。