目覚めの時を待つ

R不動産メンバーから「ずっと気になっているかつての鈴蘭台らしい和洋折衷のお屋敷があって…」と聞いていた物件がいろいろな偶然やご縁からご紹介できることになりました。鈴蘭台駅から徒歩圏内の閑静な住宅地にあって、まるで森の中にひっそりと佇む邸宅。木々の隙間からちらりと見える三角屋根の洋館が目印。様々な木々に覆われていて全体像が見えないことでより期待感が高まります。

ドキドキしながら門扉をくぐりアプローチの先にある玄関へ。和の趣の玄関に入ると奥に見えるは赤いカーペットが敷かれた廊下。経年の傷みがもちろんありますが時を超えて醸し出される上質な雰囲気を感じます。和洋折衷ではありますが、建物全体としては外から見えた三角屋根の洋館部分（洋室1部屋）以外は和の平家となっているミックススタイル。

その洋館部分にあたる洋室は雰囲気抜群。高めの天井、シャンデリアや建具の作り込まれたディテールなどにうっとりしちゃいます。窓からは木々の緑、ここが住宅地であることを忘れてしまいそう。この部屋の裏側は腐食のため崩れてしまって、波板で囲いと補強している部分があります。一番ダメージが大きく、補修にも費用がかかりますが壁を取っ払うと広い庭とお隣の公園ビューが望める位置。ウッドデッキなんかを作って、テーブルや椅子を並べて日向ぼっこを楽しみたい。

カーペットの廊下を進むと和室2部屋、洋室、DKと続きます。広縁から望む庭ビューも素晴らしいです。植栽に加え小ぶりな池もあります。古民家でも見かける大きなガラスの木製サッシや磨りガラス、床材もオリジナルで残っていますのでこのまま使い続けてほしい。平家部分も床や天井、水回り設備も修繕は必須とお考えください。部分的な差し替えや補修で済みそうな箇所も多いので可能な限りオリジナルを活かした修繕が良さそうです。平家の奥の敷地は畑スペースがあります。今は雑草でほぼ見えないのですが家庭菜園には十分なスペース。道路側のフェンスを取って駐車スペースにもできそうです。

当時の贅や趣が残された当物件、住居としても素晴らしいですがせっかくなら部分的な事業使いを提案したい（住みながら床面積の1/2以内かつ50㎡以内のみ事業可）。前述した庭と公園ビューを望めるスペースはガーデンカフェみたいなのがハマりそうですし、事業用スペースの制限があるため、お菓子やお弁当のテイクアウトにして、お庭や隣の公園で食べてもOK的な流れも良さそうです。そのあたりはお気軽にご相談ください。

かつては別荘地として栄え、徐々に住宅地へと変化していった鈴蘭台駅の周辺エリア。駅周辺のカフェや飲食店はこだわりがありつつも都市部に比べるとリーズナブルな価格帯。図書館も近々リニューアル予定。また登山口も近く、休日は登山客も行き交います。駅近や生活施設、アクティビティと日々の暮らしには困らない環境だと思います。神戸の都市部へも車で20分程度。

年月とともにかつての邸宅やお屋敷は減ってきており、当物件は数少ない生き残りの一つ。ひっそりと森の中で目覚めの時を待っています。

・当物件の間取り図はありません。